今夜ののNHKスペシャル「テクノクライシス」で「サイバー犯罪」を扱っていた。もともとNHKの番組に最新情報を期待してはいないが、スパイウェアやフィッシングの解説から始まって、去年のクレジットカード情報の盗難事件を紹介したあと、番組のハイライトが、ロシアのハッカーをFBIがおとり捜査で逮捕した5年前の事件というのは、話が古すぎるのではないか。これでは、私が昔つくった番組と変わらない。 日本で「ハッカー」という言葉を(悪い意味で)定着させたのは、1985年のNHK特集「侵入者の夜」である。この番組は、NewsWeekの"The Night of the Hackers"という記事をモチーフにしたものだが、hackerという言葉をどう訳していいのかわからなかったので、番組では「ハッカー」とそのまま使い、タイトルでは「侵入者」と訳した。おかげで、日本ではハッカー=犯罪者というイメージが定着してし