外来種の問題 この地球上では、クジラやゾウなどの大型哺乳類から微生物に至るまで、ありとあらゆる野生生物が、数十億年もの時をかけて複雑な生態系を築いてきました。複雑な網の目のような生物の多様性は、私たち人間に、食料や燃料、薬品に衣料品など、さまざまな分野で恩恵をもたらしてくれる貴重な資源の宝庫です。 しかし現在、人口増加や人間による活動が原因で、急速に多くの生物種が絶滅、もしくはその危機に追いやられています。生物種は、一度絶滅してしまえば再び人の手で造りだすことはできません。滅んでゆく種の中には、まだ人類によって発見されていないものも数多く、医薬品など、人類の将来にとって大きな役割を担う価値をもつ生物も含まれています。種の多様性の喪失は、将来の世代に大きなリスクを残すことになりかねません。 さまざまな生物が生きることのできる、その土地独自の生物の多様性を維持することは、今の社会に課せられた大