知人男性2人への殺人や傷害致死などの罪に問われた男性被告(46)=一、二審で無期懲役、上告中=に対し、被害者側が破産を申し立て、1人あたり数百万〜4千万円の被害弁償を受けたことが、被害者側代理人の弁護士への取材でわかった。被告個人の破産手続きによる被害弁償は、異例という。 弁護士によると、破産を申し立てたのは、遺族や被害者ら15人。被告に多額の資産があるとみられたため、被害者側に支払われるべき慰謝料を債権とし、2008年4月に被告の破産手続き開始を大阪地裁に申し立てた。地裁は手続きの開始を決定し、昨年8月の手続き終了までに計2億円余りを回収。被害者側は、債権の約6割の支払いを受けられたという。 犯罪被害者への弁償のために破産手続きを活用したのは、地下鉄サリン事件(95年発生)などでオウム真理教団(当時)に対する例がある。被害者側は民事訴訟で勝っても、加害者側の資力不足などから賠償金を受