ライター・編集者の飯田一史さんとSF・文芸評論家の藤田直哉さんの対談。トム・ハンクス主演、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ブリッジ・オブ・スパイ』を扱います。 敵国のスパイの弁護をなぜするのか (C)2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION. 藤田 スピルバーグ監督の久々の新作『ブリッジ・オブ・スパイ』。脚本が、あのコーエン兄弟で、第二次世界大戦の直後、冷戦期を舞台にした、実話ベースのスパイものですね。……いきなり断言しちゃおうと思いますがこれは、傑作だと思います。 飯田 めっちゃいい映画ですよね。 1957年、ソ連のスパイの弁護をむりやり任されたジムが、アメリカ国民の誰もがスパイの死刑を望むなか、合衆国憲法を盾に法廷で戦い非国民扱いをされて自宅に銃弾が撃ち込