8月半ば、ある殺人事件の判決が大阪地裁であった。30年間引きこもっていた男性が、彼の世話をしていた姉を殺害したという悲しい事件である。この男性には、アスペルガー症候群という発達障害があった。裁判員による判決は、求刑よりも長い20年の懲役となったが、その理由は平たく言えば「刑務所以外に受け皿がないから」だ。 私は学習障害や発達障害の専門家ではないが、当事者の「親」として、その対策に10年近く走り回ってきた。そのため、このニュースを聞いて考えこんでしまった。確かに、「発達障害は犯罪予備軍」といったレッテルを張られてはいやだと思うし、支援団体は「差別である」と憤りを表明している。しかし私としてはそう単純に怒れない。ほかに受け皿となりそうな設備はあるもののまだ不十分なようで、家族の苦労や憤りもまた身にしみてよく分かるからだ。 アスペルガー、発達障害、学習障害などの定義はほかの情報ソースに譲ることと
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