地球上でもっとも単純かつ正確に時刻を測る方法は何でしょう。 それは天球上の星の運行を観測することです。 古代から人々は星の運行を観測し記録することで「時」を識ることができました。 観測対象としてもっとも身近な星は太陽と月ですね。 しかし近代的な天文学的において正確な「時」を測るには月や太陽はあまり向いていません。 月や太陽は天球上をかなり大きく移動するからです(見かけ上の話ですよ,もちろん)。 したがって観測対象は天球上を動かない星, すなわち恒星になります。 天球上を動かない恒星を観測することで得られる時刻を「恒星時」といい, 恒星時を基準とした時刻系を「恒星時系」といいます。 とはいえ, 先ほど「動かない」と言った恒星も実は固有運動により(わずかですが)天球上を移動します。 では恒星時は何を基準にすればいいのでしょう。 恒星時は天球の日周運動が基準になっていると考えることができます。