山梨県立盲学校(甲府市下飯田)に匿名の女性が1964年から贈り続けているオルゴールが今年も届き、内松太一校長が10日の卒業式で、卒業生一人一人に手渡した。 毎年、卒業式が近づくと「今年の卒業生は何人ですか」と女性の声で学校に電話がある。女性は名乗ることはない。今年は、3月初めに木製オルゴール(縦15センチ、横20センチ、高さ10センチ)が10個届いた。 ふたを開けると、「カノン」か「星に願いを」のメロディーが流れる。「あなたの上に、神のご加護がありますように」と点字メッセージが入っている。 幼稚部、高等部など12人の卒業生のうち、これまでにオルゴールをもらっていない10人が受け取った。幼稚部を卒業した宮本龍貴ちゃん(6)は「早く聴きたいな」と笑顔を見せていた。 赤井美知江教頭は「感謝の気持ちでいっぱいです。贈り主は女性としか分かりませんが、詮索(せんさく)しないようにしています」と話した。