8月は、年中行事のようになってきた人の採用以外は、人事部の仕事も比較的落ち着いた時期と言われている。もっとも、人事制度の見直しなど制度面で問題を抱えている企業は別。多くの企業が成果主義を導入してからは、人事制度で起きた問題解決のために、頭を悩ますのがこの暑い季節だ。 日本企業では、成果主義と併せて、降格制度の導入が進んでいる。 労務行政研究所の調査「昇進・昇格・降格に関する実態調査」(2005年9月実施)によると、「降格」を制度化している会社は調査対象企業全体の6割に達しており、実際に降格を行っている会社は約4割。調査企業全体の6割以上が、降格制度と成果主義を同時期に導入しており、それは2000年から2004年に集中している。降格制度導入の狙いは、成果主義の徹底にあるようだ。 ちなみに、ここでいう降格とは、個人の業績や能力の落ち込みを理由として「降職」(役職の低下)、「降格」(職能資格制度