「みんな仲良く」が子どもを苦しめる 息子が幼稚園に通っていた頃、彼が「自分には嫌いな子がいる」と悩んでいることがありました。息子からすれば、大好きな母親はみんなと仲良くしているのに、同じようにみんなと仲良くできない自分が苦しかったのでしょう。 さらに、幼稚園では「みんな仲良く」と日常的に言われていたようですから「嫌いな子がいる自分は、だめな人間だ」と悩んだようなのです。幼稚園に行きたくないとまで言っていました。 そこで私は、五味太郎さんの『じょうぶな頭とかしこい体になるために』(ブロンズ新社)という本を使いながら、「お父さんにも嫌いな人がいるよ。お母さんにだって、嫌いな人がいるんだよ」と伝えたのです。 息子は目を大きく見開き絶句していました。私と話したあとに妻にも「お母さんにも嫌いな人がいるって本当?」と、確認しに行ったほどです。最初は信じられないという感じでしたが、そのうち安心できたよう