中川恵一「がんの話をしよう」 先日、養老孟司先生と、『養老先生、病院へ行く』(エクスナレッジ)という共著を出版しました。 養老先生は、私が東京大学の理3(駒場)から本郷に進学した1981年、解剖学第二講座の教授に就任され、医学の基本である解剖学を教えていただきました。 私は不良医学生で、医学部の講義にはあまり出ませんでしたが、養老先生の講義には欠かさず、出席していました。先生の講義は格別に面白かったからです。そして、当時から、今に至るまで、養老先生を尊敬しています。 養老先生は医師免許をお持ちですが、臨床医の経験はありません。そして、医療に対しても、東京大学に対しても、冷ややかな目を向けてきたと言ってよいと思います。「がんもどき理論」の近藤誠医師とも意見が合うようです。ヘビースモーカーとしても有名です。 養老先生のタバコについては、いろいろな意見があることは承知しています。 ただ、ひとつ言