1960年代、日本の文化・産業が大変動をきたしていた頃、写植業界はまだ揺籃期であった。当時は印字された品質自体が低いにも関わらず、活版印刷技法の退潮をみて「活字よさようなら、写植よこんにちは」と大胆にも謳った時代があった。そして「ホットタイプからコールドタイプへ」と叫んだのもこの時代である。 しかし活字に代わり写植が文字組版の主役の立場になったが、オフセット印刷への技法そのものも変動のなかにあった。写植書体が印刷物に使われるようになって活字信奉者は写植書体を批判するようになった。 つまり写植明朝は活字体に比して弱々しいとか、オフセット印刷の文字組みはグレー色で読みにくく目が疲れるなどである。特に出版編集者は写植組版を嫌っていた。 ●活字書体から写植書体への移行 1970年代以降、写植書体は新書体が続々と登場するようになった。活字の書体の種類は、明朝体、ゴシック体が主流で加えて楷書体など、書
★ フォント千夜一夜物語 ★ ○その1 デジタルプリプレスの黎明 ○その2 写植フォントのオープン化(1) ○その3 写植フォントのオープン化(2) ○その4 写植フントのオープン化(3) ○その5 フォント戦争の幕開け(1) ○その6 フォント戦争の幕開け(2) ○その7 ポストスクリプト・クローンフォントの登場 ○その8 Macシステム7とTrueType ○その9 Mac OS漢字Talk 7.1とTrueTypeの登場 ○その10 Windows 3.0とWIFEフォントの登場 ○その11 Windows 3.1とTrueType ○その12 平成フォント誕生物語 ○その13 平成フォント誕生物語(2) ○その14 平成フォント誕生物語(3) ○その15 平成フォント誕生物語(4)─フォント千夜一夜物語(15) ○その16 フォント関連の知的財産権(1)─フォント千夜一夜物語(16
2002.03 ようやく更新しました。 Ver2.0で、なんとか耐えられる操作感になったように思えます。そこで当初から気になっていた2つの案件を検証します。 和文における「オプティカルカーニング」と詰め組を前提にした「文字組アキ量設定」の有効性についてです。 マニュアルやガイド本によると「オプティカルカーニング」は欧文処理に特化した解説がなされていて、和文組に関しての記述はほとんど見かけませんでした。Ver.1時代に約20.000字の和文テキストをこの方法で組んでみました。厖大な処理時間が必要で途方にくれたものですが、仕上がりの美しさは他に代えがたいものがありました。メトリクスで詰める場合は詰め値とトラキング値で調整するわけですが、かな文字と漢字の相互バランスがうまく取れないように思えます。 以下のpdfでお見せする例は、リュウミンR 13Qをジャスティファイで組んだ見本で、文字組アキ量設
DTPの荒野 ←前のコラムを読む|次のコラムを読む→ 『組版原論』(左)と『DTPブッシュナイフ』(右)は, DTPデザインに携わる人の座右の書といえる。 *QuickTake150で撮影したもの(画像は本の一部) 最近はインターネットの影に 隠れているように見えるDTPだが, ところがどっこい,プロもアマチュアも, これからがDTPを本当の意味で成熟させる 重要な時期なのだということを忘れてはいけない。 WebデザインもDTPデザインも 根底の部分は同じなのだと−。 『組版原論』の衝撃 この1,2年というもの意識してDTPの問題を避けてきた。このコラムでも「ニッポンのコマーシャルベースDTP」にはあえて言及しなかった。いや,正確には,できなかったというべきだろう。 なぜできなかったのか−それは,私自身がDTPの世界に首までどっぷりと浸かっていて,客観的にこの分
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