アガサ・クリスティー『パディントン発 4 時 50 分』松下洋子訳を久しぶりに読みました。 honto.jp 初めて読んだときと比べて、しみじみとおもしろかったです。じっくり読んでしまいました。 汽車と汽車がすれ違うその間に、もう一方の車中で起こる殺人事件を目撃してしまったエルスペス・マギリカディ。恐怖を味わいつつも、市民として務めを果たすべく、駅員にも警察にも今見たことを報告しますが、「見間違えたんでしょう」と相手にしてもらえません。エルスペスがそのことをジェーン・マープルに相談した夕方には、二人は「でも、殺人があった以上は被害者がいるのだし、その死体が出てくれば事件化されるから」とまだ楽観視していました。いずれ明らかになるでしょ、と。ところがそのとき目撃された被害者は見つかることなく、エルスペス・マギリカディの証言はとりあってもらえません。そこでジェーンは考えます。エルスペスは想像でも