(英エコノミスト誌 2013年7月20日号) 先進国では犯罪が急激に減少している。減少傾向を維持するため、各国政府は厳罰化ではなく、犯罪の抑止に力を入れるべきだ。 保守派の米国人学者ジョン・ディルリオ氏は1990年代に、新種の「スーパープレデター」、すなわち「人の命に対する敬意と将来への意識を全く持たない子供たち」が、米国人の安全をほとんど際限なく脅かすことになるだろうと主張した。 ディルリオ氏だけではない。専門家の多くが、犯罪は増え続けると確信していた。法に従う人々は、警備員がパトロールするゲート付きのコミュニティーに閉じこもり、政治家や警察署長は偉そうなことを言って統計値をこねくりまわす以外、ほとんど何もできないだろうと予想されていた。 ディルリオ氏は後に前言を撤回した。こうした悲観的な見方が間違っていたことは明らかだ。ディルリオ氏が前述の主張をした90年代でさえ、既に米国の犯罪の波は