『文學界』4月号に内田ジュ先生が60歳で定年前に神戸女学院大を辞めるというので最終講義が載っている。何たる華々しさであろうか。 何か、さしさわりのあることも書くなどと言っておいでだったが、別にそんなものはない。温情で学生を卒業させてやったとかいう話があるくらいで、この程度で「さしさわりがある」のであれば、私に大学教員が務まらないのも無理はないと思った。 が、ジュ先生は21年前、というから39歳の時ですね、神戸女学院に就職するにあたって、傷害事件の類を起こすことを懸念し、なるべく家から出ないようにした、と書いておられる。自動車通勤し、家と大学と道場を移動するだけだった、という。人通りのあるところを歩くと喧嘩沙汰になるからということのようだが、梅田や三宮には月に一回くらいしか行かないというが、それだけ行ってりゃ十分でしょ。それにインドネシアへも旅行しているし、飛行機での移動なんて特にカリカリし