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ブックマーク / childdoc.exblog.jp (8)

  • 「ハックルベリー・フィンの冒険」と裁判員制度のこと | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫) マーク トウェイン / / 岩波書店 ISBN : 4003231155 ハックルベリー・フィンの冒険 下  岩波文庫 赤 311-6 マーク トウェイン / / 岩波書店 ISBN : 4003231163 スコア選択: 子どもの頃からわりと読書は好きだったつもりだが、なにか読む気がしなくてハックルベリー・フィンのほうはしまいまで読んでいなかった。改めて読んでみたわけだが、いやこれは子どもの物語ではないですね。 物語の中で、ミシシッピー川の流域を渡り歩いていた詐欺師がついにその悪事が露見して、住民にリンチにされる場面がある。町じゅうの人が熱狂して、悪党二人の身体にタールを塗って鳥の羽根を突き刺し、ミシシッピー川へ放り込むべく担ぎ出してゆく。 英語のlynchという動詞は、単に法律にもとづかない制裁を加えるというのみならず、最後に殺してしま

    「ハックルベリー・フィンの冒険」と裁判員制度のこと | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか
    jiangmin-alt
    jiangmin-alt 2008/09/05
    "彼の国の陪審制度というのは、けっして既存の裁判制度に住民参加を促すために成立したものではなく、実際のところはこういう熱狂的な暴徒と化しやすい住民を裁判制度から閉め出すために成立した制度なのではないか"
  • 早期からの経静脈的アミノ酸投与 | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    超低出生体重児では、脳室内出血とか慢性肺疾患とか動脈管開存症とかいった合併症がそれほど重篤でなくても、なんとはなく体重増加が悪い。出生予定の時期に体重2500gを越えている子は珍しかった。それが普通だと以前は思っていた。子宮外では自分で呼吸し消化しなければならない。胎盤・臍帯という極めて高度の呼吸・栄養装置を切り離され未熟な肺と腸を未熟な脳がコントロールして自律しなければならない以上、ある程度の歩留まりは避けられないと思っていた。 解決策はコロンブスの卵的に簡単なところにあった。出生当日からの積極的な経静脈的アミノ酸投与である。胎内で臍帯経由で母体から入る潤沢な供給には及ばないにしても、せめて体組織を維持するために必要な1日体重kgあたり1gのアミノ酸を、出生後も絶やさず投与して飢餓期間を作らないようにするというやりかたである。 以前はブドウ糖液で輸液を開始し、日齢2から母乳投与開始、母乳

    早期からの経静脈的アミノ酸投与 | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか
  • 母乳とミルク、米とスターチ | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    たとえばトウモロコシやジャガイモから得られたスターチを射出成形とかなんとかで直径数ミリメートルの楕円形に成形したとする。その粒の成分を分析したら炭水化物やらタンパク質やらが相応含まれていたとして、それを根拠にその粒を米と称してよいかどうか。その粒を多数集めて加水し高圧下に加熱して糊化させたとして、それを飯と呼ぶかどうか。その糊化したものを俵型に固めてワサビを塗り魚肉を載せたものを、寿司と称して出されたら寿司屋の客は納得するかどうか。 母乳と人工乳の関係というのは、この米と成形スターチとの関係だと私には思える。いくら我が社の人工乳は分析したら母乳同然の栄養分をふくんでいますと人工乳のメーカーに宣伝されても、だからってそれが母乳と同格と言いたくないのは米と成形スターチを同格と言いたくないのと同じである。母乳育児栄養ばかりではなく文化の問題でもあるのだ。 現在の日では、店頭には輝くばかりの赤

    母乳とミルク、米とスターチ | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか
  • 文藝春秋6月号「医者さえ転落する」 | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    文藝春秋6月号の「ルポ 世界同時貧困」なる特集の一部として「米国 医者さえ転落する」という記事があり、読んで背筋を寒くした。年収20万ドルを得ていた医師が、医療過誤保険の保険料が年額18万ドルになり、手元に残るのは2万ドル以下と、ワーキングプア同然の水準に転落してしまったという事例が報告されていた。加えて、救急にあふれる無保険の患者と利益中心の病院経営との板挟みでになり、仕事を続けられなくなり、低所得者用糧配給切符を受給することになってしまった。 「まさに転がり落ちた、という表現がぴったりの状態でした」と、デニスはその時のことを思い出すようにして語る。 「振り返ってみれば、あの時の自分をにしたものは切り捨てられてゆく患者や生活が貧しくなってゆくことよりも、社会に裏切られたというショックだったんだと思います」 「裏切られた、とは?」 「医者である自分は、国に守られているはずだという自身

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  • 新生児医療に新人をリクルートするために | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    若い医師には小児科へ来ようとする人は少なく、小児科の中でも新生児をやろうとする人はなお少ない。新人のリクルートのためには新生児医療のすばらしさをアピールしなければならないと、業界内のメーリングリストでときに声高に語られたりして、やれやれと思う。 新生児医療が詰まらない仕事だとは決して言わない。それは医療一般がそうであるように、新生児医療もけっしてクソ仕事ではない。 新生児医療とて、最先端のところにはマンパワーは潤沢にある。先天性横隔膜へルニアでNOつかったりECMO回したり、左心低形成症候群の子にぎりぎりの低酸素療法で体循環を維持したり、そういう華々しい症例が次々に入ってくる施設なら、薄給で(あるいは給料は派遣元施設持ちでも)ばりばり働く若い人たちもまた次々にやってくる。絶えずNICUに泊まり込み、そういう施設に入院するほどの症例が現れるや奪い合うかのように群がりよってくる。最新の病態生理

    新生児医療に新人をリクルートするために | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか
  • 救ったこととか見殺しにしたこととかあるのかな | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    http://d.hatena.ne.jp/fuku33/20080522/1211444127 駆け出しのときに阪神大震災にあって、はからずも「トリアージ」という現場に立ち会うことになった私としてはですね、人命を救ったり見殺しにしたりした実体験のとぼしい人に、たとえ話のネタでトリアージ云々言われるのはむかつきます。商売の仕方を間違えて客層がおかしくなった百貨店と、あの朝あの救急入口で亡くなっていった人とかあるいは救急まで運ばれることもなかった人とを同列に並べて、自分の話を解さない奴はナイーブだとか感情的だとか仰られてもねえ。いい気なものだと思います。 トリアージに関しては、まじめに正面から語るか、黙るかの、どっちかにして欲しいです。 あのとき救えなかった、というか、救う手をさしのべることもしなかったことにたいして、それを悪だと他者から糾弾されても理不尽だと思うけど、でも、全く正当だと言わ

    救ったこととか見殺しにしたこととかあるのかな | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか
  • 彼は背広を着るべきだった | こどものおいしゃさん日記 うしろすがたのしぐれてゆくか

    万波医師は背広を着て登場するべきだった。彼の、胸元のはだけた手術着姿は、見る人の余計な攻撃心をあおってしまったように思える。私など不徳の至りでなんとなく横山弁護士を思い出してしまったんですがね。 徳洲会は早期に彼を紳士服の青山かハルヤマかにつれていけばよかったのに。まだ彼が「臓器売買に巻き込まれて困惑した医師」の立ち位置にあるうちに。耳なし芳一が全身をお経で守ったように、万波先生は背広で自身の気配を封じるべきだったのだ。そうすれば、臓器売買事件の取材に宇和島にやってきた面々も、もうちょっとこの医者をつついてみよう的な思惑を起こさず、すんなりと解散したんじゃないかと思う。 むろん、彼が行った一連の腎移植について、冷静に論じる必要はあろう。いっさい問題なしとは私も思わない。しかし、病的腎など以ての外と切り捨てる現在の論調もなんだかなあと思う。万波潰しが先に立ってるようで気の毒だ。もうちょっと冷

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  • こどものおいしゃさん日記 おおきくなりたいね - 偉い偉い研修医大先生へ苦言

    陽だまり日記 こういう小言めいたトラックバック記事は、書いてて、幼稚園の砂場で玩具を取られて涙ぐんでいる子どもを慰めているような気分になるが、こういう幼い詠嘆は早めに卒業しておかれる方がなにかと為になる。ちと酷だがあれこれ申し上げることにする。 まず私はこの記事が非常に不愉快である。それは申し上げておく。私が筆致を抑えているように思われたら、それは彼女への気遣いではなく自分の品位への気遣いだと思われたい。 Mari先生の時とはずいぶんと態度がちがうじゃねえかというご指摘はたぶんあるでしょうがこの人とMari先生との差はけっこう大きいと思うので。同じ診療科の身びいきかもしれませんが。でも、うまく言語化できないけれど、なにか違います。やっぱり。 医療現場には考えたら動けなくなる現実が普通に横たわっている・・・って、この場合は先生の考えが足りないから動けないのである。この記事にある、「定職に着い

    こどものおいしゃさん日記 おおきくなりたいね - 偉い偉い研修医大先生へ苦言
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