ディストピアとは、『ユートピア』の対義語として扱われる世界観。しかしユートピアで描かれる要素と共通する部分も多く、実のところユートピアの裏返しの姿である。アンチ・ユートピアとも呼ばれる。 ディストピアの始まりディストピアは、16世紀以来ヨーロッパ世界で「理想郷」とされてきた理性が統制する社会に対する批判として生まれた。 日本語訳では「絶望郷」「暗黒郷」など。 そもそも「ユートピア」とは、当時のヨーロッパのような「非合理なものによって世の中が支配される不安定な現実の世界」に対する批判として生まれた概念であり、かいつまんで言えば「感情や非理性のような非論理的・非合理的なものを排除した、効率的な理想の社会」である。しかしこれは行き過ぎれば「必要で合理的なら何やってもいい」になり、個人・少数派の意思(感情)を抑圧または排除すること(=全体主義)にもつながってしまう。 実際、ディストピアを題材にした