「勝利へ導くのは額の汗とあらんかぎりの力」 〜第14回:パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド 「みんな。旗を掲げるのよ、海賊の旗を」 2008年12月26日 金曜日 降旗 学 ポートロイヤルの広場には、町の民が一列に並ばされている。 最後尾はおそらく石垣の外にまで続いているのだろう。列はとても長い。 そこは、かつてジャック・スパロウの絞首刑が執行される予定だった広場である。いまそこに並ぶ人たちは、いずれも鉄の手枷をはめられ、脚を鎖でつながれていた。彼らはポートロイヤルの町の民――、しかし、いまは刑の執行を待つ“死刑囚”として並ばされているのだ。 「憂うべく治安の悪化に歯止めをかけ、民の利益を守るため、英国王の名代たるベケット卿は、この地域一帯に対し非常事態宣言を発令する。よって、戒厳令の定めに従い、暫定的に以下を制定する」 カトラー・ベケット卿の側近が“触れ”を読み上げる。東イ