中国のニュースで一喜一憂する世間に面白くもないと思いつつ過ごす昨今。ふと目に付いたこれをamazonで購入してみる。カミュ作「異邦人」(参照)。カミュの出自を最近再確認して、気になってまた目を通してみようかと思ったのだ。今更言うまでも無い著名な古典であり、私も若い頃に読んだような気がする。薄い文庫本で数時間程度で読破できる内容ではある。もっともそこから受ける印象は若い頃のそれとは違っていたが。 この作品が何をどう表現しているというのは、それこそ世界中で何十年も語られてきたことなので省略する。印象に残ったのは舞台となっているアルジェリアの首都アルジェ近辺の奇妙なほどに鮮明な風景だ。映像的と言っても良い筆致である。そしてフランス人の視点を通しているのでそこでのアラビア人は野蛮なだけのよそ者のような印象。若い頃は主人公の不条理さや内面的な真実性だけに目が行っていた気がする。しかし今はもう少し引い
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