リニア中央新幹線のルート問題は15日、国の交通政策審議会小委員会が南アルプスを貫くCルートを「適当」とした中間取りまとめを了承し、ほぼ結論が出た。飯田下伊那地方では喜びの声が上がり、今後の地域振興に向けて気を引き締める人も。一方、諏訪、上伊那回りのBルートを要望してきた地域からは落胆の声が漏れた。 「北信には長野新幹線が開通し、冬季五輪も開かれたが、この地方に恩恵はなく、交通の便が悪いままできた」 下伊那郡根羽村の村観光協会長、片桐隆則さん(63)は長年の思いをかみしめるように話した。東京へ出るには飯田市まで車で1時間、さらに高速バスで4時間以上かかる。「リニアで人が出て行く心配もあるが、都市部に村を売り込む機会も増える」と期待を込めた。 「子どもたちの将来のため何を残し、つないでいけるか。責任は重い」と話すのは、飯田市中心市街地の自治活動組織「橋南まちづくり委員会」の加藤尚弘会長(