会社員時代、多くの旅をした。旅の目的は「移動すること」そのものにあった。電車が走り出すと、自分を日々縛り付けている場から1mずつ離れていく。旅とは「現状」から離れ、「未来」へと至る象徴的な行為であった。もちろん終わればまた日常に戻るのだが、自分の内面で何かを進めるプロセスだった。 目的地は、車窓です。以前、秋旅のコピーで「目的地は、車窓です」と書いたが、僕の場合はいつだって目的地は車窓にあった。日常から物理的に離脱していくことを目視で確認しながら、自分を解放していく。解放されてできた心理的余白に、まだ見ぬ未来の構想を描いていく。今の暮らしは、この「旅先の夢の先」にある。 目的が「移動そのもの」だから、すぐに着いてしまう新幹線ではつまらない。鈍行でゆっくりじっくり移動し、気が向いたら途中下車。目的地以外、宿も何も決めない。宿がなければ帰る。この「何も決めない」ということが、全てが契約で縛られ
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