洗練された曲線のフォルム、極限まで研ぎ澄まされた切れ味――世界でも類をみない美しい刃物「日本刀」。およそ900年遡る平安時代末期に作られはじめ、鎌倉時代には機能性と芸術性を兼ね備えるものへと進化したそう。現代では、日本を象徴する伝統ある美術品として、技術が守り受け継がれています。 日本刀のなかでも、極めて優れているとされ、名刀として名高いのが「正宗」です。正宗とは、鎌倉時代に活躍した刀匠「五郎入道正宗」が手掛けた刀のこと。「相州伝」と称される作風を確立させた人物で、本人はもとよりその系譜は北条氏から徳川家康まで名だたる武将たちに請われて、日本刀を納めていたそうです。 山村綱廣(やまむら・つなひろ)さんは、正宗から数えて二十四代目の子孫。現在、刀匠として、鎌倉駅徒歩3分の場所で「正宗工芸美術製作所」を営んでいます。伝統を受け継ぐ覚悟、そしてはたらくヨロコビに迫りました。 古代から続く日本刀は