一流のみぞ知る孤独な苦闘――。21日限りで現役生活を終えた、大リーグのマリナーズ・イチロー外野手(45)=本名・鈴木一朗。日本で1278、米国で3089本の安打を記録した「世界の安打製造機」を、プロ野球で打撃三冠王に3度輝いた落合博満氏(65)が独自の視点で語った。 イチローが、ストライクにしか手を出さないタイプだったら、もっと成績を残せたんじゃないだろうか。ホームランを狙って打てるのになあと思ったこともある。俊足で守備もうまく、ひたすら安打にこだわる。それが、イチローの求める理想像だった。 もっとも評価されたバッティングの衰えは、ここまで長く活躍した打者だからこそ陥ったといえる。 45歳になる年まで現役だった俺の経験でいうと、実績を残し続けることで、アドバイスしてくれる人が周りに居なくなった。それにいちばん苦労した。 バッティングって自分にしか分からないんだ。血のにじむ努力を重ね、一人で