これは、トルコのエルドアン政権と戦う面々の物語だ。……といっても、人間の話ではない。18日公開のトルコ映画『猫が教えてくれたこと』(原題: Kedi)(2016年)は、イスタンブールのそこかしこで気ままに暮らす猫たちと、猫なしでは生きられないトルコの人たちとの日常を描いている。実はこの猫たち、あわや自由を奪われそうになったらしい。来日したジェイダ・トルン監督にインタビューした。 トルン監督と、東京・新宿の猫カフェ「きゃりこ」で待ち合わせた。撮影の仙波理記者とともに早めに着いて猫たちに近づき、気を引こうとしてみたが、ほとんどスルーされる始末。写真を撮りたい、あわよくば撫でたい!というこちらの勝手な思いを見透かされてしまっただろうか。 ところがトルン監督が到着、一緒に席に座ると、猫たちが何匹も寄ってきた。もちろん、トルン監督めがけて。むむむ、敗北感……。でも、それも当然。トルン監督の猫歴は筋金