日銀「成長期待分野への新貸出制度」 導入は天下り先開拓のため 「環境・エネルギー分野で イノベーションを促進、など眉唾 白川方明日銀総裁は4月30日の記者会見で想定している分野を「たとえばイノベーション(技術革新)を促進するような研究開発、科学・技術の振興、あるいは成長分野として期待される環境・エネルギー事業など」と例示していた。 この話には、疑問がいくつもある。 まず日銀の役割は日銀法第2条で「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」と定められている。そのための手段は経済全体を対象にしたマクロ金融政策である。 それがなぜ特定分野なのか。 「成長が期待できる分野」などと言われると、もっともらしく聞こえるが、そもそも日銀に成長分野が特定できるはずがない。「民間銀行には目利きがいるから、銀行の判断を尊重して日銀が融資する」というなら、初めから日銀が