相模トラフ(浅い海溝)沿いで懸念される大地震の新たな長期予測を政府の地震調査委員会が公表した。想定外の巨大地震が起きた東日本大震災の教訓から、震源域を大幅に拡大。首都圏に甚大な被害をもたらすマグニチュード(M)8級が30年以内に起きる確率を最大5%と推計し、防災への取り組みを促した。(黒田悠希) ◇鎌倉時代にもM8 相模トラフは、神奈川県沖の相模湾から千葉県・房総半島沖に延びる全長約300キロの浅い海溝。首都圏を乗せた陸のプレート(岩板)の下に、南からフィリピン海プレートが沈み込む場所だ。プレート境界などにひずみがたまり、M8級の海溝型地震やM7級の首都直下地震が繰り返し起きる。 M8級は、震源域がトラフ沿いの広範囲に及んだ1703年の元禄関東地震(M8・2)と、その西側半分の相模湾周辺で発生し関東大震災を起こした1923年の大正関東地震(M7・9)が知