新幹線不在仮定(しんかんせんふざいかてい)とは、「もし、東海道新幹線をはじめとする各新幹線が存在しなかったら、どうなっていたか」という思考実験のための仮定(予想)である。 1964年10月に東海道新幹線が開業したことで、日本は高速鉄道という大量の乗客を素早くかつ定時に運ぶ手段を手にしたわけであるが、この建設時には欧米において既に鉄道が斜陽化していたことから、これからは日本でも自動車と航空機の時代になるとして、反対が強かった。「世界三大馬鹿」の一つになると評する者まで現れるほどだった。 そのため、東海道新幹線が開業してこれが大きな成功を収め、諸外国でも高速鉄道への再評価がなされたこと(フランスにおけるTGVなど)から、鉄道の優位性を示すために、「もし東海道新幹線が開業しなかった場合の仮定」というのが考え出されるようになった。この仮定は、同新幹線の輸送力の大きさを指し示すためにも用いられた。