平成22年7月28日 東京大学 大学院理学系研究科 Tel:03-5841-7585(理学系広報室) 科学技術振興機構(JST) Tel:03-5214-8404(広報ポータル部) 東京大学 大学院理学系研究科の黒田 真也 教授らは、細胞の成長を制御するAkt経路におけるシグナル(信号)の伝わり方を計測したところ、強い一過性のシグナルよりも弱い持続性のシグナルの方が下流に効率的に伝わる現象を発見した。コンピュータシミュレーションと実験を組み合わせて解析した結果、この直感に反する現象はAkt経路のローパスフィルタ(低周波通過フィルタ)注1)特性によって生じていることが明らかになった。またこの特性によって、ある種の薬剤を投与した場合に、意図した作用とは逆に下流の応答が増加することが分かった。 本研究は、JST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「生命システムの動作原理と基盤技術