隣人の無線LANを無断で使用し、不正入手した暗証番号で他人の口座から自らの口座に不正送金させたとして、電波法違反(無線通信の秘密盗用)や電子計算機使用詐欺などの罪に問われた無職藤田浩史被告(31)=松山市=の判決が27日、東京地裁であった。 無線LANのパスワード解読が電波法違反にあたるかが初めて争われたが、島田一裁判長は「パスワードは通信の秘密には当たらない」として無罪とした。一方、不正送金については「犯行は巧妙で悪質。反省の態度も見られない」と述べ、懲役8年(求刑懲役12年)を言い渡した。 判決によると、藤田被告は2014年、隣家の無線LANに接続。フィッシングメールを送って茨城県の会社など4社から銀行の暗証番号をだまし取り、三つの銀行から計約520万円を自分の口座に不正送金させるなどした。 東京地検の山上秀明次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対応したい」とコメントした。