jk47001fのブックマーク (8)

  • 『日本人のための日本語文法入門』新刊超速レビュー - HONZ

    私を生んで、ありがとう これは、エストニア出身の大関・把瑠都が初優勝のインタビューで、国技館まで駆けつけた母親に捧げた言葉である。この台詞は、母親への感謝を表す感動的なものではあるが、何だか違和感がある。あなたが日人なら、日語を母語として操るなら、違和感の正体は明らかだろう。そう、こういうとき私たちは、「生んでくれて、ありがとう」と言うのだ。実際に、このインタビューを伝える記事では、「私を産んでくれてありがとう」に発言が修正されている。 (インタビュー動画はこちら。3分辺りにこの発言がある) 外国籍の力士は驚くほど流暢な日語を操るが、それでも外国語として日語を習得した彼らには理解できない、理解が難しい日語が存在する。書は、外国人に日語を教える過程で著者が感じた日語の特徴、日人もよく理解していない日語の文法について、過去の文法研究の系譜を踏まえてまとめられたである。 7

    『日本人のための日本語文法入門』新刊超速レビュー - HONZ
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    jk47001f 2012/10/03
  • 『ヒトはなぜ神を信じるのか』 逃れられない神の目 - HONZ

    「科学と宗教」という、既に語り尽くされたと思われるテーマに、無神論的心理学者の著者ジェシー・ベリングを向かわせたのは、母の病気である。ベリングが10代のころ、彼の母はがんと診断された。母の病状を聞いたとき、神の存在を微塵も信じていなかった彼の頭に、意外な言葉が浮かんだ。 神はぼくのことをほんとうに嫌っているんだ 反射のように浮かび上がった神を、ベリングは理性の力で即座に振り払った。母の症状が科学的に説明できることを理解していた彼の心にまで、神は間違いなく現れた。この経験以来、彼は信仰と能の関係を研究し続けている。 「無神論的信念」と「神という心の錯覚」を同時に経験した、という思想家は多い。神を嫌悪、拒絶していたジャン=ポール・サルトルでさえ、神の声から完全に逃れることはできなかった。内縁のによるとサルトルは、「自分の生には生まれもった目的がある」という感覚を前にすれば、自らの無神論的確

    『ヒトはなぜ神を信じるのか』 逃れられない神の目 - HONZ
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    jk47001f 2012/10/02
    神がいると思う人は神がいる・・・神がいないと思う人は神がいない
  • 『貧乏するにも程がある』 - HONZ

    書の著者は「文芸評論のかたわら歯科医」もしている。書の著者紹介やウィキペディアなどでは「歯科医のかたわら文芸評論」をしているとなっているが、まだ四〇才台半ばで二〇冊以上の立派な著作があるのだから、順番が逆だ。歯科医は副業といってもよい。 しかし、この職業紹介の順番はいかにも歯科医のほうが評論家よりも立派な職業だといわんばかりである。実際には全国に十万人近くもいる歯科医にくらべ、えている文芸評論家などは二桁台であろう。それでもなお、歯科医が先にくるのは国家による認証がいまだ尊ばれるためだろう。日では芸術であっても、お上のご威光の前では文字通り二の次なのかもしれない。 ところで書は近代日の文学者を金銭面から見た評論である。「芸術とお金の”不幸”な関係」という副題がついているが、実際には明治から現代までの日小説家や歌人を扱っている。 森鴎外などの兼業作家と夏目漱石などの専業作家。

    『貧乏するにも程がある』 - HONZ
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    jk47001f 2012/09/24
  • 『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官 - HONZ

    地獄というものがこの世に存在するのなら、著者が1994年にルワンダで見た光景こそ、そう呼ぶに相応しい。徹底的に破壊された都市、拷問の限りの果てに殺された人の山、その死体をべて犬の大きさにまで成長したネズミ。そこには、正気を保っているほうが異常であると思われるような、圧倒的な現実が広がっていた。 書の著者であるカナダ出身の軍人ロメオ・ダレールは、1993年10月にPKO部隊の司令官として内戦の続くルワンダに国連から派遣され、80万人の命がたった100日間で失われたジェノサイドを目の当たりにした。事態の鎮静化後に司令官を辞任したダレールは、カナダへ帰国してからもうつ病やPTSDに苦しみ、2000年にはアルコールとドラッグを用いて自殺未遂を起こす。 苦しみ続けた彼は、世界にルワンダの悲劇を伝えるために、そして、二度と同じような悲劇を起こさないために地獄の体験を振り返り、書にまとめた。この

    『なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか』 地獄を見た司令官 - HONZ
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    jk47001f 2012/09/12
  • 『「調べる」論―しつこさで壁を破った20人』新刊超速レビュー - HONZ

    インタビュアーの肩書きを持つ著者による、『文藝春秋』や『週刊文春』でのインタビュー連載をまとめたのが書である。20人へのインタビューは5つの章から成っており、終章では著者人が考える、「インタビュー」論が展開されている。 書の目次にある20人のインタビューイーの名前を見ると、ノンフィクション好きは書を購入しないわけにはいかなくなる。なにしろ、1人目から『潜入ルポ ヤクザの修羅場』の鈴木智彦である。他にも、『巨大翼竜は飛べたのか』の佐藤克文、『悲しんでいい』の髙木慶子、とHONZで取り上げたことのある面白い書き手が目白押しなのである。 書のタイトルは『「調べる」論』だが、インタビューのメインテーマは、調査手法というよりは、各人の職業人生についてである。面白いを書く人たちの人生は、やっぱり面白い。15万部を超えるベストセラーとなった『日は世界5位の農業大国』の浅川芳裕は、編集者にな

    『「調べる」論―しつこさで壁を破った20人』新刊超速レビュー - HONZ
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    jk47001f 2012/09/12
  • 『文明と戦争』 宿命としての戦争 - HONZ

    人類200万年の「戦争の謎」のほとんどに答えを出そうとする野心的な書は、上下巻合わせて996ページ、総重量1.2kg、翻訳者13名、そして7,560円という規格外のボリュームである。全17章から成る書は3部構成となっており、それぞれが「戦争は人の能か、それとも文明による発明か?」、「戦争と文明の発展はどのように相互作用したのか?」、そして「近代化は戦争をどのように変質させたのか?」を主題として、戦争にまつわる多くの謎に光を当てていく。 そのボリュームに比例して、書の考察対象は途方も無く広いものとなっている。時間軸で見れば、武器すら持たない狩猟採集民時代から核・生物兵器によるテロの恐怖に怯える現代まで、地理的に見れば、先史時代の手がかりを残すオセアニアや南北アメリカから世界の覇権争いを主導したユーラシア大陸まで、学問領域を見れば、人類の能を辿る人類学から制度と現象の因果関係を考察す

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    jk47001f 2012/08/22
    「くたびれ」ないように
  • 『地球温暖化バッシング』新刊超速レビュー - HONZ

    出所)The Third Assessment Report of The Intergovernmental Panel on Climate Change, Chapter 2, Figure 2.20 これは世界で最も有名な科学データの1つと言えるだろう。“ホッケースティック曲線”と呼ばれ、地球温暖化を示すこのデータは世界中で大きな論争を巻き起こした。書の著者は、1998年にマイケル・マン、マルコム・ヒューズと連名で『ネイチャー』誌にこの図の元となるデータを発表したレイモンド・S・ブラッドレーである。 書では世界中の科学者、政治家、メディアを巻き込んだ一大論争を、その中心にいた著者が時系列で振り返りながら、ホッケースティック曲線の妥当性を古気候学の立場から説明している。温暖化懐疑論の1つ1つに冷静に反論していくというよりは、自分達に向けられた批判に対して皮肉と怒りを思いっきりぶつ

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    jk47001f 2012/08/18
  • 『脳には妙なクセがある』をきっかけにサイエンス本の世界にどっぷり浸かる - HONZ

    『記憶力を強くする』、『進化しすぎた脳』などのヒット作で知られる脳研究者の著者による、脳科学の最新知見がこれでもかと盛り込まれたエッセイ集である。349Pの書の巻末に参考文献として挙げられている論文の数は207にも上り、著者自ら“情報の洪水”と言っているのも頷ける。一見バラバラなトピックの寄せ集めだが、その中核にはきっちり、“脳と身体の因果関係への考察”というテーマが据えられており、楽しい寄り道をしながら大きな結論へと導いてくれる。 全26章で取り上げられる研究は、「XXXすれば脳の○○○が活性化して、△△△能力が向上する」という脳科学にこびりつく歪んだイメージの範囲を飛び越えて、行動経済学、進化生物学、栄養学などの領域にまで広がっている。とにかく、あっと驚く人間の特性を暴きだす研究結果が満載なのだ。書を読んで、やっぱりサイエンスは最高のエンターテインメントだと再確認した。サイエンス

    『脳には妙なクセがある』をきっかけにサイエンス本の世界にどっぷり浸かる - HONZ
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    jk47001f 2012/08/15
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