これまでほとんど増やすことができなかった血液の細胞の元になる「造血幹細胞」を、文房具の「のり」の成分を使って培養し、大量に増やすことにマウスでの実験で初めて成功したと東京大学などのグループが発表しました。ヒトの造血幹細胞でも増やすことができれば、白血病の治療などに応用できる可能性があるとして、関係者の注目を集めています。 造血幹細胞は、赤血球や白血球などの元になっていて、骨髄にあるため、白血病の治療で行われる骨髄移植には欠かせない細胞ですが、人工的に増やすことはほとんどできませんでした。 東京大学医科学研究所の山崎聡特任准教授などのグループは、文房具の「のり」の成分である高分子化合物のポリビニルアルコールの中で、マウスの造血幹細胞を培養したところ、1か月余りで200倍から900倍に増やすことに世界で初めて成功したと発表しました。 ポリビニルアルコールは、通常の培養では必ず使う「アルブミン」