佐藤 優(さとう・まさる)氏(右) 元外交官、文筆家 インテリジェンスの専門家として知られる。第38回大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞した『自壊する帝国』の他、著書・訳書多数。(撮影・前田せいめい、以下同) 佐藤 普天間基地の問題は、中国に対する抑止力をいかに確保するかということと密接に関わります。沖縄は日本国防の要衝であり、中国は今まさにその周辺を脅かす存在だからです。 1992年、領海法という法律で日本固有の領土である尖閣諸島を自国領としたことなどは象徴的でしょう。先だって中国艦隊が沖縄の鼻先を航行したことといい、彼らの攻撃的な意図が透けて見えます。 中国という国の危険な本質をいち早く、1970年代に見抜いていた国が存在します。それは東欧・バルカン半島の社会主義国、アルバニアです。 この国の独裁者、エンヴェル・ホッジャは1978年に中国と袂を分かった時「中国は共産主義を標榜している