ベイズ法などで用いるサンプリング法のなかで,スライスサンプリングというのがあります.原論文は以下になります. SLICE SAMPLING (Neal, Annals of Statistics 2003) サンプリング法で代表的なのはMetropolis-HastingやGibbs Samplingですが,これらにはそれぞれ問題点があります.例えばMetropolis法の問題点として,実際の問題に適応する場合,どのような提案分布を選んだら良いのか分からない,ということが挙げられます.よく使われるのは,現在のサンプル点を中心としたGauss分布ですが,分散をどう選べば良いか,ということなど,自明ではありません.提案分布が適切でない場合,サンプルの棄却率が高くなり,アルゴリズムの効率が落ちます.一方,この分散を小さくしすぎると,一度のサンプルで動く距離が小さくなり,これも効率の低下につながり