異次元の金融緩和に伴う円安により、輸入物価が上がり、家計や中小企業に影響が出ているとの批判がある。実際、年明け以降に値上げが報じられた品目は、CPI(消費者物価)ベースで10品目にも及び、そのCPI押し上げ効果はプラス0.9%程度と試算される。そして、そのうちの0.7ポイント以上は小麦、電気、ガソリン、自賠責保険の計4品目の値上げ分のみで説明が可能となる。 ただ、自賠責保険は円安とは無関係である。また、4月からの小麦値上げの要因となった昨年9月から今年2月までの円建て小麦相場の価格を分解すると、円安要因は4分の1程度にとどまる。さらに、10月以降の小麦売り渡し価格を左右する今年3月以降の買い付け価格は、国際相場の値下がりが円安要因を相殺しているため上昇していない。同様に、原油の輸入価格も国際相場の値下がりが円安を相殺しており、ガソリン価格も3月から8週連続で下がっている。 一方、3カ月平均