現在の日本の検疫システムは、既存の施設をやりくりさせ、外注企業の人員を動員して、何とか回している。そのため一日あたりの受け入れ人数に上限を設けざるを得ない。今回の措置を契機にして、あらためて検疫体制の充実を考えていくことは、段階的に人の移動を回復させていくためにも重要になってくるだろう。 とにかく徹底して入国を禁止するのが正義だと考えているような鎖国派の方々も目立つが、帰国してくる日本人の入国も禁止するのは、憲法上の人権規定の問題になるし、邦人保護の趣旨からすれば本末転倒な事態だ。それ以前に、入国規制で永遠にウィルスの侵入を防ごうという考えは、新型コロナの感染性を無視した非現実的な考えである。社会経済活動を根本的に阻害させ、しかも不当な偏見も助長させることによって、日本の国力を著しく減退させる自殺的な考えでもある。 入国規制は、一時的な措置にすぎない。体制を整えるための時間稼ぎである。時間