九州北部の大雨で、大分県日田市を流れる 花月 ( かげつ ) 川に架かるJR久大線の鉄橋(約80メートル)が流されたのは、火山灰などでできた崩れやすい斜面が上流で崩壊し、植えられていた樹木が一斉に流れ出たためとみられることが、専門家の分析などでわかった。 日田市などを上空から視察した九州大の矢野真一郎教授(河川工学)によると、鉄橋の上流で斜面が崩壊しており、植えられていたスギやヒノキが流れ出た痕跡があったという。矢野教授は「樹木ががれきなどとともに橋脚に引っ掛かって濁流をせき止め、増えた水かさで大きな力がかかったとみられる。耐えきれずに橋脚が倒れ、橋が流された可能性がある」と指摘する。 加えて、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)によれば、その斜面の表層は、風化した火山岩や火山灰などで構成されていて崩れやすい地盤だった。川辺 禎久 ( よしひさ ) 主任研究員(火山地質学)は「大量の降雨で