結局、何がしたいのか。憲法改正を訴える安倍晋三首相を見ていて、しみじみ思う。この数年だけでも「96条改正」をぶち上げたと思えば、次は「緊急事態条項創設」となり、今度は「9条改正」に「教育無償化」ときた。日替わり定食のようにころころ変わる論点。安倍流改憲論の正体は何か?【吉井理記】 安倍首相が政治家として初めて全国メディアのロングインタビューに応じた、と思われる雑誌記事を見つけた。「経済界」の1995年6月27日号だ。93年に父、晋太郎氏の後を継いで初当選して2年後である。 今と変わらず改憲を訴えていた若き安倍首相、政治評論家の故細川隆一郎氏に「改憲のポイントは」と問われ、実はこんなことを述べていた。