新居浜市立東中学校2年、大西慈恩(じおん)君(14)(新居浜市垣生)が、三味線藤本流の師範になった。 全国に約4000人いる藤本流の師範の大半は60歳以上で、中学生以下はわずか約20人。唄(うた)いながら三味線を演奏する「弾き語り」の難関試験を、中学生が突破するのは珍しいという。若くして指導者の立場になった大西君は「師範の名に恥じぬように、努力を重ねます」と表情を引き締めていた。 大西君が三味線の道に進んだのは4歳の時のこと。特撮ヒーローが三味線で戦う姿に強く引きつけられ、近くの藤本流師範の辻トメ子さん(82)の元に通うようになった。 辻さんの稽古は月3回。休日に約2時間、発声練習や演奏をみっちりと仕込まれる。辻さんは「幼い頃から張りのある声やリズム感、音程が抜群で、民謡独特の難しい間でも、声と三味の音をピッタリ合わせる。生まれ持っての才能」と自慢の弟子への賛辞を惜しまない。 小学3