宮下酒造株式会社 社長 宮下附一竜 今回は小説家「国木田独歩」についてお話してみたいと思います。 今から23年前、地ビールを始めるにあたり、そのブランドを決めるのに一般公募した結果、「独歩」というすばらしい名前をいただきました。その時以来国木田独歩はなぜ「独歩」というペンネームをつけたのだろうかということが気になっていました。 そこで、独歩の本を集め、研究を始めています。 「国木田独歩」は、明治4年(1871)7月15日に千葉県銚子市に生まれ、幼名を亀吉といい山口県で育ちますが、早稲田大学入学後18歳の時哲夫と改名しています。そして、明治30年26歳の時、「独歩吟」という詩集を寄稿し、その時以来「独歩」と署名するようになりました。「独歩吟」の中には「山林に自由存す」という有名な詩があるのでご存じの方があるかもしれません。独歩は自然主義文学者と言われますが、ドナルド・キーンの「日本文学史」近