何がきっかけで彼と話しはじめたのかは覚えていない。記憶にあるのは、友人宅の屋上のソファーに2人で座っていたことと、そのソファーのフェイクレザーが私の太ももにへばりついていたことだけだ。 彼は私のタイプではなかった。ヴィンテージのフットボール・シャツにマレットヘア(サイドは刈り上げ、後ろ毛は長い)。まるでアートスクールの学生のようにも見えた。でも、それを補って余りあるほど面白い人だった。 私たちは上流階級の人と付き合うことの利点について話した。「彼らは常にいいレストランを知っているからね」と彼は言ってから、元カノに紹介されたという「いいピザ屋」に今度行こうと誘ってくれた。私が「ピザならどんなに高級でも、とてつもなく高くつくことはないからね」とおどけて言うと、彼は「その通り!」と言った。
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