9月9日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の建国記念日に「核実験が行われるのではないか」との観測がある。わずか2カ月前、7月5日に北朝鮮が行ったミサイル実験は、日本の地政学的リスクと、情報収集・分析力の乏しさを浮き彫りにしたばかりだ。 当時「北朝鮮はミサイルを必ず発射する」と主張し、的中させた数少ない存在が、防衛庁に所属する北朝鮮ウォッチャー、防衛研究所図書館長・主任研究官の武貞秀士(たけさだ・ひでし)氏だ。氏の持論は、ミサイルと核開発の背景には北朝鮮の緻密なシナリオがあるとするもの。それに基づいて「核実験は遅かれ早かれ必ず行われる」と分析する。 -- 7月の段階では最後まで「北朝鮮はミサイル発射はしない。ブラフだ」という意見が支配的でした。 武貞 北朝鮮、中国、韓国の事情に詳しい人たちが皆、「脅かして譲歩を誘い、体制維持を図る」という金正日の発想からいったら、絶対にミサイルは撃たない」と