筆者のオフィスの道路を隔てた向かい側に、建築中のホテルがある。鉄筋コンクリートの骨組みは既に最上階まで出来上がり、外壁を取り付ける作業の途中で、工事はいったん中断していた。オリンピックに備えて、7月から北京市内の建設工事が一斉に停止されたためだ。 ところが、オリンピック開幕まで数日に迫ったところで、目を疑うような光景が出現した。無人だった工事現場に数人の作業員が戻り、命綱をつけて建物にぶらさがったかと思うと、まだ外壁がなくコンクリートがむき出しの部分を、窓ガラスの柄をプリントした布で覆い始めたのだ。 建築主は、世界中から観衆が集まるオリンピックの期間中、建物を骨組みがむき出しのままでさらしておくのはみっともないと考えたのかもしれない。だが、外壁が布張りのビルはいかにも「はりぼて」で、見せかけだけをやっつけ仕事で取り繕ったことがありありとわかる。これでは、かえってもの笑いのタネになるのではな
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