たまに、家族から受けた言葉を思い出すことがある。大体いつも、精神状態が不安定になったとき、彼女・彼らから言われた内容を思い出す。 あれらは、「呪いの言葉」だったのだと、今ならわかるのに。あれらはすべて、私を「普通の人」に矯正するための言葉だった。ただそれだけだったのに。 「望ましい妹」という姿であれ、という圧が常にあった。つまり、愛嬌があって、容姿も可愛くて、適度に馬鹿で、適度に抜けていて、でもちゃんと言うことは聞いて、甘え上手で、いつまでも「上手く」生きられないような、そういう妹になって欲しかったのだろう。「ぼーっとしている」「人の話を全然聞かない」「周りをよく見ていない」とよく言われていた。「貴方は父親そっくりね」と言われた。うちで「父親」に似ているという烙印を押されることは、「ろくでなし」「どうしようもないヤツ」を意味していた。 本当に、今ならすべての言葉を一笑に付すことができるのに