ピーター・シンガー Peter Singer (1946-) ピーター・シンガー(Peter Singer 1946-)は、現代における代表的な功利主義者の一人である。 人間の利益のために犠牲になっている実験動物や家畜など、人間以外の動物の権利を擁護する、その動物解放論は有名である。また、理論だけではなく、菜食主義者として、自分の主張を実行している点でも、珍しい存在である(?)。 →動物解放論 快楽と苦痛の総計を「善」とする古典的な功利主義の立場を徹底すれば、 「人間の命は全て等しい価値をもつ」 「人の命を奪ってはならない」 「人間の命は人間以外の命よりも価値がある」 という古いヒューマニズムは維持されえない。 「たとえ胎児を殺すことが妊婦と胎児の両方が死ぬことを防ぐ唯一の方法だとしても、胎児を殺すことは不正である」というローマ・カトリック教会の教えは正しいのだろうか。 「生命の尊厳」とい