いま日本は、エネルギー政策の根幹が揺らぎかねない国家レベルの危機に陥っている。　東京電力福島第１原子力発電所の事故に加え、菅直人首相の唐突すぎる要請によって中部電力浜岡原子力発電所が運転停止を余儀なくされ、原発がある地元の動揺が収まらないためだ。　不安感を背景に、運転上の安全を確保する定期検査が終わっても再稼働への地元の同意が得られず、停止したままの原発が増える状況になりかねない。　◆何のための安全確認か　先進国の生活水準を維持するにはエネルギーがいる。その安定供給に果たす原子力発電の位置付けと安全性について、国による国民への十分な説明が必要だ。菅政権が漫然と手をこまねいていれば、大規模停電が心配されるだけでなく、国民は慢性的な電力不足を強いられかねない。国際的な産業競争力の喪失にもつながる。　浜岡原発の停止要請を、菅首相は「政治主導」と表現した。であるなら、定期検査を終了した原発の速やか

1 No.37、2011-5-12 発行 （★福島 1 号機の熱出力に訂正） 福島 1 号機の燃料が完全露出 5 月 12 日の日本経済新聞夕刊が、要領よくまとめています。 ①福島１号機で、水位計を復旧して測った所、上部から５ｍ以下と判明。燃料棒がすべ て露出する水位である。 ②燃料棒が原子炉の底に崩落している可能性がある。 ③原子炉に注ぐ水のかなりが漏れている。つまり、圧力容器も格納容器も損傷している。 格納容器水位は不明なので、 筆者が適当に描いた。 1 号機は、元々、７０％が水から露出して、燃料ペレットの破片が圧力容器の底に溜まっ ている、と推定されていますから、７０％が１００％になったから、と言って、何も変わ りません。だから、上記①②は今更、問題ではありません。 圧力容器破損の件 5 月 6 日から原子炉への注水量を１時間当たり約６トンから約８トン （1 日当たり 192 トン）

民主党の岡田克也幹事長は１２日の記者会見で、電源開発が青森県大間町に建設中の大間原発について「あと２年くらいで動かすという想定で、かなり出来上がっている。やめることを考えるべきではない」と述べ、建設継続を求めた。　岡田氏は１４日から２日間の日程で青森県を訪問し、同原発の建設現場などを視察する。会見で岡田氏は「福島原発の重大な事故を教訓とし、より安全性の高い原子力発電を実現していかなければいけない。関係者としっかり意見交換したい」と強調した。　大間原発をめぐっては、国と事業主を相手に、建設差し止めなどを求める住民訴訟が係争中。