直木賞作家の熊谷達也さんが月刊文芸誌「小説すばる」(集英社)に発表した小説に、アフガニスタンなどの紛争地取材で活躍するフォトジャーナリスト、長倉洋海さんの著書から表現などを無断で使用していたことが15日、分かった。同誌4月号に経緯と「お詫び」が掲載された。 同誌などによると、熊谷さんは同誌昨年12月号に「聖戦士の谷」を発表。これについて、長倉さんから「自著に依拠して表現を無断使用している個所が複数あり、見逃せない」などと抗議を受けた。編集部で精査し、熊谷さんとも協議した結果、著作権侵害に当たる可能性が高いと判断、連載打ち切りを決めた。同誌4月号に熊谷さんと編集部の連名で、1ページの「連載中止の経緯とお詫び」を掲載した。 このなかで熊谷さんは「深く反省し、二度とこのようなことを起こさない」、編集部は「確認作業が至らなかったことを反省し、再び起こらないように注意する」としている。