コンセプトだけではよくわからない。では、描かれているものにはどんな意味があるのか。特に目立つのは刀だ。 「諸外国の陸軍等のエンブレムにおいても、銃や銃剣を活用している事例が多数あります。そのような中、陸自においてはより日本人らしさを示す観点から刀が適切であろうと結論を得たものです」 こう説明する陸上幕僚監部。ホームページでも、日本刀は「古来より武人の象徴とされてきた」とし、「その『刃』に強靭さ、『鞘』に平和を愛する心を表現しました」と解説している。 「専守防衛ではない」との指摘があった「抜刀」の描写については、奥に刃、手前に鞘を置いたことで、「陸上自衛隊が『国土防衛の最後の砦』であること、そして、国家危急の時に初めて戦う意思を表現」したという。 確かに、剣をモチーフにしたエンブレムは珍しくない。 では、エンブレムを作成した経緯は? 「ここ数年、陸上自衛隊は、他国との共同訓練、国際会議、能力