実弾50発を盗んで4人を射殺した「死刑囚」はなぜ世界から注目される作家になったのか から続く 【画像】坂本は1997年に起きた事件が流れを大きく変えたと語る 19歳で罪を犯した永山は22年間の獄中生活の後、そして40歳で死刑が確定された。しかし、ここで坂本は憤りながらもこんなふうに思っていた。 「最高裁の判決は驚きましたよ。刑務官は永山本人を見ているわけですから、こんなことがあっていいのかと。でも私も含めて現場の刑務官は、永山則夫は死刑が確定しても執行はされないだろうと思っていました。遺族に償いをし続けていたこういう死刑囚はかつていなかったわけです。そんな人間を相手に、死刑執行はしない、できないですよ。 犯行当時、19歳で責任能力があるか無いか。ネグレクトを受けていた彼の知的レベルは中学生くらいですよ。そして今は40歳だと言われてもそのほとんどは獄中ですからね」 永山は自らの小説の印税を被