「幽明志怪」シリーズ 最新&完結作『猫ノ眼時計』(単行本) 『蘆屋家の崩壊』(ちくま文庫) 『ピカルディの薔薇』(ちくま文庫) 同時刊行記念特別対談 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 三浦 津原さんが最初に猿渡君(シリーズの主人公)を書いたのは、おいくつのときだったんですか。 津原 三十二、三歳です。初登場時の猿渡と同年代ということになりますね。 三浦 じゃあ、一緒に年齢を重ねてきている感じなんですね。 津原 そうなんですよ。一緒に老いてきて、このところは四十代に突入している。ただ読者に、猿渡には「永遠に若く、永遠に情けなく」あってほしいという想いがありましょうから、今後「取締役猿渡」的な展開は避けようと。 三浦 アハハハ。でも、「猿渡君がこのあいだ乗っていた車はああいうことになったから、今度はこの車なんだな」みたいな、変遷を見るのも楽しいで