画像提供:ナショナル ジオグラフィック日本版(Photograph by Andrea Bruce/National Geographic) 内戦が続くシリアの首都・ダマスカスの旧市街は、今のところはかろうじて戦火を免れている。旧市街の中心部にあるウマイヤド・モスク前の広場では、少年がハトを追う、一見平和な風景もみられる 。 アラブ世界において、ダマスカスは何世紀もの間、高度に洗練された文明の都として知られてきた都市だ。異なる信仰をもつ人々が交易を行い、ともに暮らしてきた。スンニ派やシーア派のイスラム教徒、キリスト教徒、そしてユダヤ教徒。もちろん衝突もあったが、人々は宗教や宗派の違いを超えて、自由で活気に満ちた都市の生活を満喫していた。 内戦ですでに多くが失われたとはいえ、その独自の文化はシリアの未来をかすかに照らす希望の光となっている。 (ナショナル ジオグラフィック2014年3月