新海誠監督が手掛ける映画最新作『君の名は。』。本作は、エンターテインメント性にあふれるアニメーション映画として、新世代のマスターピースになりうると同時に、「2011年以前では決して生まれることのなかった作品」(新海監督)だという。 日本人の価値観を大きく変えた出来事をモチーフの1つに、願いや祈りを物語の軸としたことで生まれた結末。 インタビュー後編では、ラストの決断に至った背景や、奇しくも同年に公開された怪獣映画との偶然についても言及する。(取材は8月13日に行ったもの) ※本稿には、物語の核心に触れる記述があるため、映画『君の名は。』および、小説版を未見の方にはネタバレになる恐れがあります。ご注意ください。 取材・文:恩田雄多 編集:新見直 『君の名は。』は震災以降でなければありえなかった作品 ──監督ご自身は「自然な変遷の中で生まれた作品」と語られましたが(前編)、やはり個人的には、過